実際の労働時間とは 2
次に、「労務を提供している時間」といっても、この中には現実に作業をしている時間だけではなく、使用者の命令があればすぐに作業ができるように待機している時間や、作業の前後に必要な整理整頓などが含まれます。
そこで、これらを整理すると次のようになります。
労働時間
・実作業時間・・・実際に作業している時間
・手待ち時間・・・就労のための指揮命令下にあり、業務遂行のために待機している時間
・準備・整理整頓・・・作業に必要不可欠な準備整理時間
ところで、「使用者の指揮命令に服した労務の提供」ですが、「労務の提供は使用者の明示又は黙示の指揮命令に従ったものでなければならず、これに反する労務を提供しても、債務の本旨に従った労務の提供とはいえない」(水道機工事件 東京地裁判決昭53・10・30)とされています。
なので、使用者の指揮命令に従わない、自分勝手な作業をした場合には、使用者がこれらの作業や労働を受領する義務はなく、そのような勝手な労務提供に対しては賃金請求権は発生しません。
しかし、使用者の指揮命令に違反した労務の提供でも、使用者が異議を述べないとその労務の提供を黙認したことになりかねません。
使用者としては命令違反の労務の提供の受領を拒否し、なすべき業務を明示しなればなりません。